「ドラッカー」から学ぶ経営戦略:その1 「顧客は誰か?」

税理士の佐藤です。ドラッカーは企業の目的について「顧客を創造することである」と言っています。では、御社にとって「顧客」とは誰でしょうか。

「そんな簡単な事を聞いて・・」、「そんなのお客さんに決まってるでしょう」とほとんどの人は答えるでしょう。

では、仮に御社が問屋(卸売業)だとしましょう。普通に考えればお客様は「小売店」です。しかし、よく考えて下さい。「小売店」にものを買いに来るお客様も御社にとって「お客様」のはずです。第一番のお客様である小売店にとっては、安い商品が好まれるでしょう。しかし、第二番目のお客様である消費者は、安い商品も魅力的ですが、品質の良い商品を好むかもしれません。そう考えた場合、御社は何を売り込めばよいのでしょうか?

次に、仮に御社が工務店(建設業者)だったとしましょう。確かに、建主はお客様です。しかし、新築の家には来客があります。その来客者もお客様になりませんか?その来客者は、新築のお宅にお邪魔して、「こんなセンスの良い家が欲しい」と思うかもしれません。もし、仮に来客者がみんな御社の家を欲しいと思ったら、顧客はネズミ算式に増え続けます。ま、そんなに簡単なものではありませんが・・。

繰り返しますが、企業の目的は「顧客を創造」すること、いいえ、「顧客を創造し続ける事」です。どうしたら、お客が増え続けるか・・。 その答えは「顧客とは誰か?」という事を考え続ける事です。

もし、売上ダウンの壁にぶつかった経営者様がいたら、もう一度、初心に帰りましょう。何のために、この事業を行ったか。何を売りたかったのかを思い出して下さい。そして、その初心を否定して下さい。創業時にあなたが売りたかった「もの」、売りたかった「人」、それは幻想、又は思い込みだったのです。

あなたにとって「顧客とは誰」でしょう・・。じっくり考えて下さい。

その答えは無限大です。つまり顧客も無限大に存在するのです。そして、ターゲットが違うと「経営戦略」も変わるはずです。