「日々経営カイゼン」のすすめ : その1 カイゼンの心得
税理士の佐藤です。皆さんも感じておられると思いますが、我が国は100年に一度の混乱期です。今まで当たり前だと思っていた、見方・やり方・考え方ではこの厳しい戦いを勝ち抜くことは出来ません。
どうしたら貴社がこの混乱期を乗り切ることが出来るでしょうか?
そのためには、毎日繰り返し行っている日常の業務を、経営者だけではなく会社全体で、今までの 見方・やり方・考え方をカエル必要があります。
つまり、「これが当たり前だ」という思いを変える事が必要なのです。
たとえば・・あなたはスーパーに牛乳を買いに行ったとしましょう。家のそばにはスーパーAとBの二つがあります。品揃えもほぼ同じ、値段も変わりません。ただ一つ大きな違いがありました。
A社の商品は綺麗に並べられ、日付順に並べられています。
B社の商品は乱雑に置かれ、賞味期限の切れた商品がたまにあります。
さて、あなたはA,Bどちらのスーパーに牛乳を買いに行きますか?
このような質問をされた場合には、日本人は几帳面なのでB社に行く人は稀ではないでしょうか?ほぼ全員がA社を選ぶと思います。
「そんな事は、当たり前だよ!」と皆さんは思いますよね。
しかし、実際に自分の会社を思い出して下さい。道具の並べ方の順番が違ったり、同じ物が数箇所に分かれて置かれている事があるかもしれません。
そこに“業務カイゼン”のヒントがあります。
まちがいなく、ほとんどの人は、乱雑な店よりも整理整頓された店を好みます。
一般的には、躾を除いた “4S” を使う場合が多いと思いますが、今回は“5S” について考えてみましょう。
会社を衛生的にする、効率的にする、事故を予防するなどのために従来から工場などで使われている考えです。
5Sとは、整理(せいり)、整頓(せいとん)、清掃(せいそう)、清潔(せいけつ)、躾(しつけ)のSの頭文字からきています。
整 理・・要るものと要らないものを分け、要らないものを処分します。
整 頓・・整理の次の段階で、必要なものをいつでも誰でも取り出せ、使える状態にしておくことです。
清 掃・・ゴミなし、ヨゴレなしの状態にすることです。
清 潔・・ゴミなし、ヨゴレなしの状態を常に保つことです。
躾 ・・社員みんなが決められたことを正しく守る習慣を身に着けることです。
店舗や事務所をきれいで清潔に保つことで、会社全体が変わるかもしれません。また、清潔感のある店舗や事務所を見たお客様は多くの選択肢の中からあなたの会社を選ぶかもしれません。他社と差別化することが、お客様から選ばれるポイントです。
その差別化のひとつに5Sの実践があります。
ポイントは! 最後の「躾(社員みんなが決められたことを正しく守る習慣を身に着けることです。)」です。
全社一丸となって、同じ目標に向かいましょう。
何かを変えなければ、この混乱期を乗り切ることは難しいのです。
「全社一丸」の第一歩は、経営者自らが変わる事です。