94号 「働き方」改革

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少子高齢化

少子高齢化という言葉を「ふ~~ん」とわかったような、わからないようような気持ちで聞いていると思います。これをデータにすると衝撃的です。

過去、現在、未来の年齢分布をご覧下さい。

 

 

 

 

 

 

今からおおよそ40年後には子供が10%以下・・老人(65歳以上)が40%を占める社会となるのです。

ちなみに各国の子供の割合(2017年 国連人口統計年鑑)は今爆発的に経済が拡大している中国では16.6%と一人っ子政策の影響で低迷、アメリカは19%と未来も安泰、インドは30.8%で将来インドの時代が来そうです・・。

 

 「働き方改革」をご存知ですか?

少子高齢化で未来の日本が大変な事はご理解頂けたと思います。メディア等で批判を浴びながらも少子化対策を政府は進めています。

一方、企業に対する社会保障費負担増の圧力、労働力として主婦や高齢者などの活用が不可欠となります。

そこで、「一億総活躍社会」や「働き方改革」など政府は昨年から法整備を行っておりますが、今月は「働き方改革」について考えて見ましょう。

 

労働力不足への対応

労働力を増やすためには①「出生率を上げて将来の働き手を増やす」、②「主婦や高齢者などの労働人口を増やす」、そしてもう一つ③「労働生産性を上げる」と3つの方法が考えられます。

そこで国は次の項目についての実行を企業に求めています。

  • 1. 同一労働、同一賃金など非正規社員への対応
    2. 賃金引き上げと労働生産性の向上
    3. 時間外労働の規制による長時間労働の是正
    4. テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方
    5. 社会保障制度、税制改正など女性、若者が活躍しやすくするための環境整備
    6. 病気の治療、子育て、介護と仕事の両立
    7. 転職・再雇用支援、人材育成や教育
    8. 高齢者の就業促進
    9. 外国人の受け入れ

今でさえ大変なのに、消費税増税、最低賃金の引き上げ、パート社員の社会保険加入など企業を取り巻く環境は、いばらの道です。

 

しかし、これらの政策は最初にお話ししたようにわが国の未来のために必要なものなのです。

企業の生き残り策

今回の「働き方改革」では「労働生産性の向上」が大きなカギを握っています。働きアリと思われている日本ですが労働生産性は主要7カ国中最下位(OECD加盟国35カ国中22位)と実は「生産性が高くない」という意外な事実があります。

今回の改革で「同一労働同一賃金」をうたっていますが裏を返すと「働かない社員の給与を減らし時短社員に配りなさい」、長時間労働の是正は「残業をさせないで賃金を減らせ」とも読み取れます。

改革により、社会保険の加入資格を週20時間とし一般社員の半分の労働時間でも加入が義務付け(500人超の企業)られます。また、通算5年超の労働者は無期雇用化されます。

これらは非正規社員の優遇という事ではなく、正規社員には「頑張らないと必要ないと企業に判断されますよ」との警告とも考えられます。

つまり、国は無駄な長時間労働の削減、主婦や高齢者など時短社員の増加を目指しているのです。

時短社員は1社専属ではなく複数社で働く事になるでしょうし、残業代のかからない時短社員は企業にとって重宝な存在です。

つまり、「残業=無能な社員」、「定時帰宅=優秀な社員」、「時短社員=高賃金社員」の時代が来そうな予感がしま・・・。

私たち中小企業にとって本当に大変なのは、今まで以上に人材確保が困難になるという事です。

あの会社には「明るい未来がありそうだから勤めたいな~」と思われる会社しか生き残れない時代が来そうです。