91号 「秘密の道具」
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「ドラえもん」
9月3日は「ドラえもん」の誕生日です。ドラえもんといえば・・皆さんもご存知のように「のび太」のピンチを「秘密の道具」で助ける定番のアニメです。
ところが昨年夏、インドとパキスタンで相次ぎ放映禁止を求める声が上がったようです。
これは宗教観の違いや外国文化の拒絶ではなく、主題歌にあるようにドラえもんが「みんな、みんな~かなえてくれる~♪」事が問題のようです。
日経新聞(2016/10/7)の記事によると、ある事件をきっかけに“追放運動”が始まったそうです。
インドで2013年、公職の選考や大学入試で、金品の授受を伴うコネ採用・裏口入学が大量告発されました。つまり、お金が一発逆転の「秘密の道具」として利用されたのです。
この事件がきっかけにドラえもんの「どんな困難も秘密の道具が解決してくれるという点が子供らの将来に多大な悪影響を及ぼす」とのとばっちりをうけたのです。
私たちからするとドラえもんが問題ではなく社会構造の問題のように感じますが・・。
さて、わが子の将来を心配する親心には国境はないという事ですね!。
日本でも「秘密の道具」が登場
最近、ネットの世界で「秘密の道具」が出回っているようです。
フリーマーケットサービス「メルカリ」では「夏休みの宿題にどうぞ!」などの売り文句で「読書感想文」や「自由研究」の完成品が販売され、物議を醸しています。
商品紹介では「中学受験頑張っているお子さん、スポーツで忙しいお子さん、夏休みにたっぷり遊びたいお子さんを応援します」などの宣伝がなされています。販売価格は数百円から数千円程度です。
新たなサービスが価値観を変える?
メルカリとは、日本やアメリカなどでサービスが提供されているフリマアプリでスマートフォンからの利用者数はヤフオク!、楽天オークション、モバオクに次ぐ4位のようです。
しかし、このメルカリ、以前にも「一万円札」が売りに出され大きな社会問題となりました。
先ほどの夏休みの宿題に関してメルカリサイドでは「他人の作品を盗用したものなどなら出品を削除するが、それ以外は『コメントする立場にない』としている」ようです。
親の過保護に問題があるのか・・ネット社会の副作用なのか、ただ当事者である子供にとっては悪影響があるのではないでしょうか?
いずれにしても時代の変化に伴い価値観が変わりつつあることは間違いありません。
「秘密の道具」も「ドラえもん」もなかった!
ネットで検索すると「新卒社員の3分の1以上の人が、3年以内に」退職しています。
「1年以内では平均すると15%程度の人がやめている」との記事もありました。
これが事実とすると、辞めたいと思っている人はかなりの割合だと考えられます。
記事によると離職の理由として、「思っていた仕事と違った。やりがいがなかった。」、「給料が低かった。」、「会社の環境になれなかった。」、「職場の人間関係がつらい。」などが挙げられています。
キャリアアップの為など前向きな離職もあるでしょうが仕事を辞める理由はほとんどの場合ネガティブなものです。
勿論、会社サイドの問題が大きいのでしょう が本人たちの努力不足といった点もあると思います。彼らにとっては都合よく助けてくれるドラえもんも秘密の道具もなかったのです。
生きる力を身に着ける
社会人を長く経験すると他人に頼るのではなく自分自身の力で生き抜くしかない事は経験として知っています。
しかし、未熟な彼らにとっては大きな壁が立ちふさがって乗り越えられなかったのです。経営者の立場としては時間とお金をかけた社員が簡単に辞めるという事は大きな損失です。
昔はゲームもパソコンもスマートフォンもありませんでした。しかし、彼らはこれらのグッズが当たり前の時代で育ちました。環境の変化に文句を言っても始まりません。
「近頃の若者は・・」と嘆かないで一人前の社会人に育て上げる、これが企業の役割です。時間をかけ、辛抱強く成長を見守りたいですね。
次の時代は作りだすのは彼らです!