89号 「スター誕生」
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【今月の事務所通信】
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「10代の活躍」
将棋界に新たなスターの誕生です。
6月26日、将棋の藤井聡太四段(14)が竜王戦で勝利、昨年12月のデビュー以来公式戦29連勝となり30年ぶりの記録更新です。
既に藤井四段は最年少プロ棋士記録を62年ぶりに更新しておりますが、快進撃のスタートは最年少記録を守っていた加藤一二三九段(77)との対局でした。
その後の加藤九段の引退も重なり、世代交代を象徴するようなストーリー展開です。しかも、非公式戦ながら将棋界の第一人者、羽生善治三冠(46)にも勝利しており、小説や漫画のように羽生三冠との名勝負の序章も始まっています。
他の10代、卓球世界ジュニア選手権の史上最年少優勝を成し遂げた張本智和選手(13歳)、中国トップ3に勝った平野美宇選手(17歳)など新人類の今後の活躍に注目です。
とはいえ・・私たちも10代に刺激をうけて今まで以上に新しい事にチャレンジしなければなりませんね・・。
「10年後」
ある勉強会で「10年後のビジョン」を考えるとのテーマを与えられました。たとえば・・将棋の藤井四段なら24歳になって何冠かのタイトルを持っているかも知れませんが・・自分の事となるとなかなかイメージがつかめません。
10年ひと昔と言いますが・・技術革新や環境の変化は著しく、たとえば写真はフィルムカメラからデジカメに変わり・・その後デジカメからスマホに・・と油断していると「あっ・・」という間に自社の主要商品が突然無くなってしまうかもしれません。
そう考えると10年後を考えるという事は意味がある事なのかも知れません。
「牛丼化」
藤井四段は研究熱心と報じられておりますが最新技術のコンピュータ将棋で研究しているようです。つまり今はやりのAIとの対局で実力を磨いています。人間より機械やソフトが優秀だと思われる時代が近づいているのでしょうか・・。
一方、人間が機械のように扱われているような状況があります。業界を問わず、最近の傾向として仕事の短納期・低価格化というものがあります。これを称して「牛丼化」と言うそうです。
某チェーン店の宣伝文句のように「うまい(品質)・安い(コスト)・早い(短納期)」が当たり前、牛丼に限らず品質の差がほとんどなくなれば価格のみで勝負が決まってしまいます。
つまり、品質が変わらないのであれば安い方に需要が流れ、過去の関係や付き合いといった人間性に価値が見いだせられない時代なのです。そう考えると、10年後に機械に仕事を奪われる業種もあるのでしょう。
「未来」
岐阜県に本社を置く「未来工業」という設備資材メーカーがあります。この会社はユニークで「全員正社員、一日の労働時間は7時間15分で残業なし、定年は70歳で、上司への報告連絡相談もなし。社員が自らの責任で考え、行動する。」と常識を覆すような会社です。
しかし、この会社の業績は営業利益率が11,5%(一般的には優良企業で5%)と素晴らしいものです。社長の発想も「未来」という社名同様ユニークなので紹介します。
「商品は高く売る」
社長、曰く「『安くていいもの』を作るという考え方が間違っている。商品は高く売らなければならない。そのためには上からあれやこれやと命じてばかりいたら、社員はすぐに考えなくなる。言われるままにしていれば安全だし、その方がずっと楽だからだ。
しかし、それでは、新しい感性とかアイデアは生まれない。差別化で売上を伸ばし、経費を徹底的に削減して、付加価値を確保する。そして、それを思い切って社員に還元する。従業員を労働力とみなすのではなく、運命共同体の仲間として遇するのだ」。と言います。
この話を聞いて・・「当社では無理だ」と思ったとしたらこのような付加価値の高い商売の実現は無理です・・。10年後を生き残るためにも人を大切にして、人が儲けを生み出すような仕組みが必要なのです。
そうでなければ機械やソフトに仕事を奪われかねません・・。是非、未来を目指した経営をしてください。