かわら版:老舗企業から学ぶ

明治末年(1912年)以後に創業した100年企業(老舗企業)は北海道内で、2011年7月末時点で734社あります(全国で2万4847社)。その間、関東大震災、世界大戦等がありました。これらの企業が今現在、存続しつづける秘密を知りたくありませんか?

帝国データバンクでは、これらの老舗企業を無作為に抽出し、アンケートを実施しました(「百年続く企業の条件」朝日新聞出版)。

「老舗企業として大事な事を漢字一字で表すと?」の質問では、信用、信頼を表す「信」の字が第一位となりました。第二位は誠実を表す「誠」で以下、「継」、「心」、「真」と続きます。長い時間をかけてお客様や取引先、地域との信頼関係を築いてきたこと、真心を込めた誠実な商いをこれからも次世代に継承したいとの思いを感じます。

「社風を漢字一字で表すと?」との質問では「和」が一位を獲得し。「信」、「真」、「心」が続きます。取引先や地域社会、従業員などとの和を重んじている事や社内がまとまっている情景が目に浮かびます。

「家訓、社是、社訓がありますか?」との質問には、77,6%の会社があると答えています。この辺に、長寿企業へのヒントがありそうです。ぶれない基準があるからこそ、戦争や災害等を乗り越える事ができたのでしょう。

「今後、老舗が生き残るために必要なものは?」との質問に「信頼の維持、向上」が最も多くなっていますが、「進取の気性」が2番目に回答が多かったほか「変化への対応力」や「新しい時代のニーズへの適合」のように「変化」や「新しい」を上げる企業が目立ちます。

日本最古の企業で、四天王寺建立のために設立された寺社建築の大手、金剛組(578年創業)は、2006年1月経営破たんし、営業を譲渡しております。このように、外部環境の変化に対応出来ない企業は淘汰される事を老舗企業の経営者は肌で感じているのでしょう。

参考になることが沢山あります。