かわら版:まさかの坂
10年に1度の勢力と言われる台風26号が東京・伊豆大島の集落を襲い、火山灰を含んだ土砂崩れにより多くの家屋が倒壊、32人が死亡、9人が行方不明となる悲惨な災害があったばかりですが、台風30号がフィリピンをに重大な被害を与えました。震災に始まり、これでもか・・といったように、災害が続いております。
まさか・・
先日、 「仕事と人生」には三つの坂があるとう話を聞きました。1つ目は上り坂、万事が好調で、何をやってもうまくいく時。二つ目は下り坂、不調に陥って思い通りにならない時。そして、三つ目の坂、これは“まさか”という坂です。しかも、この“まさかの坂”は突然やってくるようです。
たとえば、織田信長は天下統一を目の前にしながら、本能寺の変で腹心の明智光秀に突然裏切られました。まさに、“まさかの坂”です。しかし、豊臣秀吉はこれをチャンスとし、天下統一を成し遂げました。
このように、まさかの坂を前向きに受け止め、チャンスに変えたいですね。
思い込みは禁物
「予期しない失敗」とは、想定の範囲内の失敗ではなく「突然の業績不振、顧客からの不評、コスト増大、設計ミス」といった失敗の事です。中には、単なるケアレスミスや誰かの怠慢など単純な失敗もあるでしょうが、これらの原因を反省せず、放置する事が問題です。
たとえば、慎重に企画し、時間をかけて開発した商品・サービスが失敗した場合には、重要な市場からのメッセージが隠されています。「市場はこれを求めているはずだ」と判断したこと自体が誤っていたのです。それに気づかず「やり方を変えればうまくいくはず」という勝手な思い込みは禁物です。
速やかに軌道修正
ドラッカーは「予期せぬ失敗」は「トップマネージメント自身が外へ出て、よく見、よく聞くことである」と語っています。経営者は、失敗を社員の努力が足りないと思いがちですが、一番先に原因を追求し、責任をとらなければならないのはトップ自身です。もし思い込みが失敗の原因だったと気づいたら、速やかな軌道修正が必要です。
チャンスを逃さない
ドラッカーはさらに「予期せぬ失敗は、常にイノベーションの兆候として」捉える事が出来るとも語っています。もしかすると顧客のニーズや市場の動向が変わり始めている兆候なのかもしれません。その「空気」を他社よりも一歩早く掴むことができれば、市場にイノベーションを起こす事も可能です。
黙っていて、大切な情報が向こうからやってくることはありません。常に、情報に敏感になり、失敗を成功へと結びつけるのです。
数多くの失敗が大きな財産だと考え、更なるチャレンジを続けましょう。